思い出した数年前の年末年始
明けましておめでとうございます。
には遅いですが…。
このブログもほったらかして久しいですが…。
2018年の終わり頃にバタバタし、そのまま2019年になってしまいました。
韓国に住んでいますが、こちらに来てから大体そのままズルズルと新年になるパターンが多くなりました。
2年近く働いていた釜山の職場は、
大晦日まで働いて、普通は1月1日ぐらいは休むものなのに、
1月1日も当然のように働いて(取引先は休んでいるので全然仕事がない)、
旧正月も普通は前後1日ずつ休むのに(トータル3日)、
そこの職場は当日しか休めないため、そこに勤め始めてから故郷に帰ったことがないと上司が愚痴っていましたっけ。
ブラックなんだけど、どうしてブラックかというと、
これまたブラックにありがちなのだけど経営者が「自分たちは店をここまでに大きくするために、休みなく働いたから」っていう…それを従業員にも押し付ける思考の持ち主で。
残業強要。手当なし。毎日へとへとになって、片道一時間半の通勤。
年末年始の思い出なんてなし。
今まで日本の友達には、多少遅れても年賀状(らしきもの)を送っていたけれど、
とてもそんな余裕なく立ち消え...って感じでした。
で、この会社に勤める前に一度、物凄く素敵な職場に働いたことがあります。
これはクリスマス頃から、1月の第一週目ぐらいという短いバイトだったのだけど、
こっちの思い出の方がメイン。
この物凄く素敵な職場ってのが、自宅前に社長が自らワゴン車でお出迎えしてくれ、
山奥の零細企業が集まる工場団地?みたいなところに連れていかれるっていう職場。
21世紀も10年以上過ぎたっていうのに、1970年代ですか?80年代ですか?っていう機械たちが詰まっている小さな工場で、
年末年始頃が、一番忙しい仕事とのことでアルバイトで入ったのだけど…
いわゆる、韓国でよく飲まれているスティック型の甘い粉末のお茶の袋入れ。
粉末を作って、その粉末を乾燥させたり色々工程はあるみたいだけど、
その辺は別の人がやっており、それを機械にザザァーッと入れると、
スティックに決まったグラム数が入り、カッチャンカッチャンと一本一本に切られながら準備されたプラスティックのカゴに何百本と溜まっていくのだけど…
そのカゴに入ったスティックを、外袋に入れるのがバイトの仕事。
で、その外袋はちょっと厚手の美味しそうな写真とかもプリントされたビニール袋なのだけど、
そこに製造年月日を入れる…その作業は手作業。
迷彩柄のズボンを履いた、まともな人なのかおかしな人なのかわからない、
滅茶苦茶怖い「班長」って呼ばれてるおばちゃんが、手作業で製造年月日を打刻。
一枚一枚。
そのビニール袋に、スティックを何十本と入れるのだけど、これもまた手作業。
21世紀らしい、家内制手工業っぽい感じ。
ビール瓶の入ってたようなケースにスポンジ貼った椅子に座って、
大きなテーブルにザバァーンとぶちまけられたスティックを両手で、
数を数えながら、スティックの向きをそろえながら、チャッチャとつかんで、
片手に10本、両手で20本…。もし50本セットなら両手で20本をもう一回と、
片手で10本やってもいいし、両手で5本ずつとかとにかく適当に10本そろえ、
それを打刻済み袋に入れ、セッティング済みをプラスチックカゴに溜めていく。
大体たまったところでまた素敵な人力シーリング機が登場。
足踏み式になっていて、シーリング機に打刻済み袋の開いた部分を
華麗なセンスでスッとハサみ、足元のブレーキみたいなものを踏むと、
袋をプレス。熱で封をするというものなのだけど、私は入ったばかりだったので、
緊張するしで、作業が慎重になりすぎて遅い…。
「班長」は一体何年やってきたのか知らないけれど、物凄い勢いで、どんどんこなしていくので、その姿も怖ろしい。
スティックの掴み方も、テーブルにぶちまけただけの向きもそろっていないスティックなのに、ただテーブルを無造作につかんでいるようにしか見えない手に、
あっという間に向きがそろったスティックが手の中に…
とにかく早くキレイなのは確かで、物凄い技術?の持ち主なのだけど、
ちょっとホントに、こういっては何だけど狂気を感じるコワさの持ち主なので、
技術を盗むも何もないまま短期のバイトは終わったのだけど…
(技術というか…今時手作業かよ!って言いたいところだけど…)
ここも、大晦日までしっかり仕事。
ただ、普段定時が5時半だとすると、2時か3時で終わり、後は定時まで大掃除。
そして、大掃除が終わると、一応ご苦労さん会なのか、
こんな山奥に配達に来る店があるの?と驚くようなピザ数枚。
そして1月1日はお休みで、2日からはまた社長のワゴン車で山奥に連れていかれるという日々。
年末年始を家でのんびりできたここ数年、有難いのかな、有難いんだよね…?